神奈川の公立中高一貫校
「作文・記述」の出題形式と対策
神奈川県の公立中高一貫校は5校ありますが、学校群によって作文・記述の形式がまったく違うのが最大の特徴です。 県立2校は80〜90字の条件記述、横浜市立2校は160〜200字の説明型、川崎市立は300〜400字の作文。 このページでは、令和8年度(2026年2月実施)の検査問題にもとづいて、それぞれの形式と練習のポイントを解説します。
まず全体像 — 5校で3つの方式
| 県立 (相模原・平塚) | 80〜90字の条件記述。適性検査Ⅰ・Ⅱ(共通問題)の中で出題。マークシートとの併用で、長文の作文はなし |
|---|---|
| 横浜市立 (南附属・サイエンスフロンティア附属) | 160〜200字。適性検査Ⅰ(両校共通問題)。課題文の内容を資料と関連づけて説明する形式 |
| 川崎市立 (川崎附属) | 300〜400字の作文。適性検査Ⅱの問題2として出題(Ⅰではない点に注意) |
「神奈川の公立中高一貫に作文はあるの?」という質問をよく見かけますが、答えは 「志望校によってまったく違う」です。志望校が決まったら、その学校の形式に絞って練習するのが近道です。
県立 相模原・平塚 — 80〜90字の「条件記述」
| 字数 | 80字以上 90字以内(令和8年度・適性検査Ⅱの最長記述) |
|---|---|
| 出題 | 適性検査Ⅰ・Ⅱ(2校共通問題)の記述問題として |
| 検査時間 | 適性検査Ⅰ・Ⅱ 各45分(記述はその中で出題) |
| 形式 | 「何をどのように・どのような特ちょう」など、設問が指定する条件の要素をすべて入れて短くまとめる |
| 段落・原稿用紙 | 段落は作らず、一マス目から書く(検査は横書き) |
| 実施時期 | 毎年2月上旬 |
※ 字数は年度によって変動があります(令和7年度までは70〜80字程度)。また適性検査Ⅰには 「20字以上30字以内」×2問の超短文記述(「わたしが提案するのは、」のように書き出しの言葉が指定され、書き出しは字数に数えない)も出題されています(令和8年度)。
長文の作文がない代わりに、短い字数に条件を全部入れる「圧縮力」が問われます。 90字は思った以上に短く、条件を1つ落とすだけで大きく減点されるため、 「設問の条件に線を引く → 全部入れて書く → 字数に収める」の練習が効果的です。
横浜市立 南・サイエンスフロンティア — 160〜200字の説明型
| 字数 | 160字以上 200字以内(設問により複数問) |
|---|---|
| 出題 | 適性検査Ⅰ(両校共通問題) |
| 検査時間 | 適性検査Ⅰ 45分・100点(適性検査Ⅱも45分・100点) |
| 形式 | 課題文の内容を、資料の観点と関連づけて説明する(自分の意見より本文の説明が中心) |
| 段落・原稿用紙 | 段落は作らず、一マス目から書く。題名・氏名は書かない |
| 実施時期 | 毎年2月上旬 |
※ 横浜市立2校の記述は年度によって変動があります(令和7年度は170〜200字×2問、令和6年度は340〜400字×1問)。 最新の募集要項・過去問で必ず確認してください。
川崎市立 川崎附属 — 300〜400字の作文
| 字数 | 300字以上 400字以内 |
|---|---|
| 出題 | 適性検査Ⅱの問題2(Ⅰではなく、Ⅱ側に作文がある構成) |
| 検査時間 | 適性検査Ⅱ 45分(文章の読解と作文をあわせて) |
| 形式 | 学校行事などの場面設定に合わせて、自分の行動と理由を具体的に書く |
| 段落・原稿用紙 | 二段落以上の構成で書く。題名は書かず、一行目は一マス空けて書き始める |
| 実施時期 | 毎年2月上旬 |
川崎市の受検案内(選考基準)には、適性検査Ⅱについて 「文章の内容を的確にとらえ、表現する力を見ます。また、作文を通して、自分の考えを表現する力や社会性等の素養があるかを見ます」と明記されています。 神奈川の公立中高一貫で「作文らしい作文」があるのは川崎市立だけです。 段落構成(二段落以上)が明示的に要求されるため、 「提案・行動 → 理由・体験」のような段落の型を決めて練習しておくと安定します。
家庭でできる練習のポイント
- 志望校の形式に絞る — 神奈川は学校群で形式が違いすぎるため、汎用の作文練習より「自分の学校の字数・形式」での反復が効きます。90字の学校を受けるのに400字の練習をしても遠回りです。
- 条件への正対を習慣に — 3方式とも共通して問われるのは「設問の条件を落とさず、問いにまっすぐ答える」力です。書き終えたら条件を1つずつ指さし確認する習慣をつけましょう。
- 書き直しで精度を上げる — 特に短い記述は、同じ問題を2〜3回書き直すと圧縮のコツが体に入ります。添削→書き直しの往復を練習の基本にしてください。
志望校の形式そのままで練習できます
サクブン先生は、志望校を選ぶとその学校の検査形式そのままの原稿用紙で練習できる、AI作文添削アプリです。 神奈川は県立(80〜90字)・横浜市立(160〜200字)・川崎市立(300〜400字・段落あり)の3方式すべてに対応しています。
- AIの先生が原稿用紙の上に吹き出しで添削。書き直すたびに前回の指摘をふまえた連続指導
- 条件への正対・字数・段落構成まで、志望校のルールで採点
- 紙に書いて写真で出す手書き派にも対応
私立の「適性検査型入試」という選択肢
神奈川でも、公立中高一貫の適性検査に準じた「適性検査型入試」を実施する私立があります——日本大学中学校(適性検査Ⅰは50分の国語系論述+Ⅱは教科横断型・2026年度要項で確認)や鶴見大学附属(適性検査45分+算数45分。受験生の約9割が川崎・横浜南・横浜サイエンスフロンティア附属の併願との学校発言あり)などのほか、横浜翠陵・横浜隼人・鎌倉国際文理(2026年共学化・旧鎌倉女子大中等部)・聖園女学院でも実施を要項で確認済みです。とくに聖園女学院の特待適性検査型は「県立中等教育学校の検査問題をモデル」と公式に明記されています。 公立向けの作文・記述練習はこれらの私立入試にそのまま使え、 公立の検査日より前に受けられる学校が多いため、実戦経験を積む併願先として有力です。 サクブン先生の志望校リストにも収載しています。各校の形式・字数は必ず募集要項で確認してください。
📖 あわせて読む: 隣の東京と神奈川で求められる力がどう違うのか、noteで読み物として解説しています → 神奈川の公立中高一貫に「400字の作文」はひとつもない(note)
よくある質問
- Q. 県立と横浜市立・川崎市立は併願できますか?
- A. できません。神奈川の公立中高一貫5校(県立相模原・平塚、横浜市立南・横浜サイエンスフロンティア、川崎市立川崎)は検査日が毎年2月3日に統一されており、受検できるのは1校のみです。私立中との併願は自由です。受検年度の募集要項で必ず確認してください。
- Q. 県立(相模原・平塚)志望でも作文の練習は必要?
- A. 長文の作文はありませんが、記述の配点は大きく、80〜90字に条件を全部入れる練習は必須です。「書く力」というより「条件に正対して圧縮する力」を鍛えてください。
- Q. 志望校がまだ決まっていない場合は?
- A. まずは標準的な400字形式で「型」を身につけ、志望校が決まったらその形式に切り替えるのがおすすめです。長い形式で身につけた構成力は、短い記述にも活きます。
- Q. 過去問はどこで手に入りますか?
- A. 県立2校は神奈川県教育委員会、川崎市立は川崎市のサイトで検査問題が公開されています。市販の過去問題集(声の教育社など)も利用できます。
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